ディルの家に勝手に上がりこんで、買いあさってきたマンガをひろげてだらだらする。
「おもしれえー」
「おまえ!家にあがるのはいいとして、人の酒勝手に飲むなよ!」
「うめえー」
「うめえだろうな、俺の秘蔵の焼酎あけてくれて、本当に感謝してるよ」
「さきいか食う?」
「食わねーよ」
あちこちに散らばった空き缶やらを集めて、そろそろ支度するか、とキッチンに立つディル。
今日はオムライスらしい。
「なーなーディル」
「なんだよ」
「好きだ」
「ぁン?」
「あいしてるー」
普段口にも出さなく、たぶん思ってもいないだろうことを言ってはうひゃひゃと床をころがりまわるトウヤ。
「…おまえ、何読んだ?」
「“よつばと”最新刊」
「あー…」
「よつばかわいい…あ、かわいくない」
「なんだよそれ」
「“あべこべごっこ”だよ」
ピーマンを刻みながら振り向く。
「好きだーあいしてるー結婚してくれー」
「あべこべか」
「さあ、どっちでしょう」
「…愛してる」
「!」
「あべこべ」
「なのか?」
「どっちでしょう」
「いじわる!」
「あべこべ」
「…いいやつ!」
「まあな。飯食うぞ」
「食っていいの?」
「あべこべおしまい」
「いただきまーす」
「グリンピース除けんな」
「豆まずい」
「食え」
「おべぇー」
トウヤ、影響されやすい。
会話文、どっちがどっちかわからなくても、もうしょうがない。申し訳ない。こんな調子でいきます。
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大人げない大人たち、子供らしくない子供たち、みんな毎日生きている。
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